公立高校受験で重要視される内申点。その仕組みとはどうなっているのでしょうか。
内申点とは、英語・数学・国語・理科・社会の5教科の評定(通知簿の成績)を4倍した点数と保健体育・美術・音楽・技術家庭科の4教科の評定を7.5倍した点数の合計点数のことです。満点は250点で、高校入試ではこれに兵庫県の共通入試の点数を250点満点に換算したものを合計して、500点満点で合否が決められています。
そのため、合格へのアプローチの仕方はいろいろと考えることができます。
例えば、葺合高校が志望校のA君の場合。
内申点
英語 3 美術 3
数学 4 音楽 3
国語 3 保体 4
理科 4 技家 3
社会 3
内申点合計 165.5
実力テスト(英・数・国・理・社の合計)340点
内申点に実力テストの半分をたして合計点を求めると335.5点になります。これが現在の総合的な成績になります。葺合合格ラインを380点だと仮定すると、あと45.5点成績を上げれば合格するということになります。この合格に足りない点数をどのようにしてとっていくかが重要なのですが、あと45.5点を実力点で取ると考えると、91点の成績アップが必要になり、現在340点に91点の加算を考えて431点を入試本番でとらなくてはならなくなります。そこで、内申点を上げた場合を考えてみましょう。美術の評定3を4にあげると、4教科なので7.5点成績が上がったことになります。すると45.5点から7.5点を引いて、目標点まであと38点になり、実力点で76点の成績アップを考えればよくなります。つまり、4教科の評定を1あげるだけで、入試本番での目標点を15点下げることができるのです。このように考えると、4教科の評定を1ずつあげることができれば60点(4×7.5×2)も目標点を下げることができます。そうすると、入試本番では370点で合格できることになります。
このように考えると、公立高校受験では内申点がとても重要視されるのも納得ですね。4教科は大事だとは聞いていたけれど、ただ単に7.5倍されるからだけではなかったのです。
友田 大介