「聖徳太子が古事記や日本書紀においては「厩戸皇子」などと表記され、後に「聖徳太子」と呼ばれるようになったことに触れること」、これが私たちが聖徳太子だと学んできた人物に対する新たな文部科学省の学習方針です。
聖徳太子という呼称は平安時代から使われている呼称なので、飛鳥時代の人物である彼の話をするときは確かに厩戸皇子と呼ぶほうが正しいです。
ですが一方で彼について聖徳太子という呼び方が平安時代以降1000年以上残り、明治時代になると政府が発行した紙幣に聖徳太子という名前つきで度々登場してきたのも事実です。
彼が厩戸皇子だと呼ばれていたことが歴史的事実であるのと同時に、その後聖徳太子と呼ばれてきたのも歴史的事実です。
何故彼がそのように呼ばれることになったのか、何故彼には不幸な最期を遂げた天皇に贈られてきたという説がある「徳」という文字が与えられているのか、そしてその呼び方が現代まで伝わっているのか。
そこに思いを馳せることも一興かもしれません。
今津中マスター教室教室長:瓜生翔太